飛川ゼラのブログ

メカ絵師、飛川ゼラの日常。

海外・外国人からの”絵の依頼”について 日本人イラストレーターとして…

自分は絵のリクエストを受け付け始めてまだ日が浅いので、すでに絵のお仕事をされている他の絵師様方はすでに経験済み、もしくは既に似たような被害に遭われた方々がいるかもしれません。
恐らく、今回のお話で出てくる海外からの絵描きの依頼に関しては、あくまで私の想像ですが、日本人イラストレーターに対するマニュアルやボット(詐欺など)が存在しているのではないかと思います。
ただ、純粋な気持ちや真っ当な理由でお仕事を斡旋してくださる海外の方もいると思います。
ですので、このことについてはあくまでこのような依頼をしてくる方々もいるというだけで、必ずしもすべての海外の方々がこのような人たちではない、ということを前置きとしてお話しておきますのでご了承ください。

去年の暮、とあるコミッションサイトに登録していて、ある海外の方からの絵の依頼がありました。
その時、その人は、”自分は日本語が堪能で、あなたの絵が好きで気に入ったので絵を描いてくれ”、と言う依頼がありました。
そう言われて悪い気がする人はいないと思います。
まぁいい気になりすぎて感情的になって仕事を受けても良いことはないと思いますので、とりあえず冷静に話だけは聞いてみることにしました。

私はプロフィール欄にこれでもかというくらい、私にはこれが出来てこれが出来ない、これが得意でこれは不得意など、今まで描いてきた絵もサンプルとして全て記載しておりました。
相手が海外の方でしたのでいくら日本語が堪能と言っても、もしかすると読めないかもしれないと思い、翻訳サイトにてある程度ザックリでも良いので理解してもらおうとこちら側でそれなりに対応もしました。

このブログに来られて私の絵を見ていいねをしてくださっている方々は…ある程度私の得意としている絵柄など大体把握してくださっているかもしれないと信じたいです。
いいねをしてくださって本当に感謝しております。
因みに私は自分の解釈に都合よく、全てを理解してくださっている”だろう”とは到底思っておりません。

実は、この”~だろう”が一番厄介だと思っております。

話を戻してもう一度言いますが、その人は最初にあなたの絵が好きなので、と言いました。
私は何度も何度も自分が得意としている絵柄やジャンルについて説明もしました。
その上で、その人は私に

←(メカ絵)あなたの絵が好きなので →(刀〇乱舞のような)キャラクターの絵を描いてくれ、と依頼してきたのです。

サンプル


吃驚し過ぎて声が出ませんでした。

私の絵を閲覧していいねをしてくださった方々は…わかってくださっていると思いたいですが…。
一枚も刀剣〇舞のような絵柄のイラストをUPしていないことはお分かりだと思います。
分かる方には、

ジャンル違い

ということだけはお分かりになると思います。
というか、なぜそのような見解に至った???
いや、冒頭にも話しましたが恐らく手あたり次第、適当な日本人絵師を当たっては彼らの中に存在する日本人イラストレーターに対するマニュアル対応のようなもので行動していたのだと思います。
人によってはこれも経験!と言ってお仕事につなげる方もいると思います。
私としてもキャラ絵を描くのもやぶさかではございません。
ございません、



やり口が汚い、酷過ぎだと思います。

あまりに酷い対応だったため、お断りいたしました。
相手に絵を描かせるために、おそらくちゃんと見てもいない相手の絵を好きだと言ってきたのです。
今はひもじい国になってしまった日本、今の日本人イラストレーターなら適当に持ち上げておけば気を良くして請け負ってもらえるだろう、といったところだったのでしょうが…
絵描きに限らず、相手を尊重、重んじることはとても大切なことだと思います。
まぁそんな酷い依頼内容でも気にせずそのままお仕事を引き受けるのは全然ありだと思います。
仕事を選ばず色々と引き受けることは視野を広めることでもありますからね。
別にいいんじゃないかなと。
ただ自己責任になってしまいます。

以前、とある出向先でメカ絵が描けるからキャラ絵も得意だろう、というだろう採用で出向させられた経歴があります。
因みにだろう採用での出向だったため、良い結果を得られずに戻ってきたことがあります。
そのことについては私も非常に残念な経験をしてしまいました。

因みに、車の”だろう運転”を行うと事故率が大幅に上昇します。

そんなわけで、”~だろう”という考えを、”~かもしれない”に置き換えたほうがいいと思います。

因みに絵を描かない方々は、”絵描き”というものに”ジャンル”が存在することを理解していない人がとても多いです。

・漫画家
・アニメーター
イラストレータ
・画家
・ゲーム
・CG
キャラクターデザイナー
メカデザイナー
・美術背景
etc…

↑その他絵に関するetc…これらを全て一緒くたに考えている方が本当に多いです。

漫画が描けるからアニメも描ける、アニメが描けるからゲームも作れる、CGが作れるから絵も描ける、画家なので漫画が描ける、だろう、と。

私もメカ以外に色々と描けるようにはなりたいのですが、如何せんゲームで例えると、スキルポイントをメカ絵に全振りしてしまっているので、残りスキルポイントは足りてない感じです^^;

因みに海外の方以外でも、日本人の方にも似たような考えを持っている方々はおられます。
ここ十数年でアニメや漫画、ゲームなどは社会的地位を得ることに成功してきましたが、70~90年代の頃は今とは比べ物にならないくらい社会的地位がなかった時代でした。
その当時の大人たち(今では70~80代の方々は特に)は、絵描きやアニメ漫画なんて低俗な仕事だと思っている方々は未だにいます。

医者に外科や内科、小児科や皮膚科が存在していることを理解できても、絵描きや絵に多する興味がないため、そういう方々は絵描きにジャンルや種類が存在することも理解出来ていないのです。
だから簡単に絵を描いてくれ、早く安くできるだろう、などと言えるのです。
因みにいい経験になるから、という人もいます。
そういう人は大体低い料金や、ただで仕事しろという可能性が高いです。

しかもプロの世界にも制作部や企画部などからくる絵の依頼など、絵を描かない人たちからの依頼は無茶ぶりがとても多いです。
絵描きなんだからそれくらいできるだろう、安い金額でも絵が描けて満足だろう、というまたもだろう認識です。

ですので、私のこの体験が皆様方の教訓に生かされることを切に願います。
同じような気持ちや被害に遭わないように…

因みにInstagramにて海外の人から

Hello, are you available for commission?
!! I’d like you to draw a picture of my son’s pet for him
”ペットの絵を描いて!”

ときたら詐欺だそうです。

リクエストもやっております。
お気軽にどうぞ↓

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